外側は日本人、内側は外国人

ペン回しやなんやらかんやら

今後のペン回し

この記事はTHECCAWさんとPragueさんが主催している「Pen Spinning Memorandum」の参加記事です。去年、Easeさんが企画した「ペン回し Advent Calender 2015」に参加し損ねたので今回はこの企画に参加させていただきました。こんな魅力的なイベントを企画して下さったTHECCAWさん・Pragueさんに改めて感謝したいと思います。ありがとうございます。

 

 

始まりとしては、やはり初めましてと言うべきでしょうか、それともさっそく本題へ入るべきでしょうか、そんなことを悩みながらこの記事を書いています。文章力がちょっとアレなのでところどころに不可解な内容が書かれてあるかもしれません。どうがご容赦ください。

 

JEB復活おめでとうございます。なんか言う機会がなかったので。

 

「もう掲示板とか、どうせ静かだし必要なくねぇ?」という声がありましたので、本当に掲示板がないまま終わるのかと心配していましたが。どうやらその心配は必要なかったようです。たとえJEBメンバー大半の交流がTwitterや他のSNSで行われていたとしても、正式な場としてはJEBとうい掲示板は必要だと思います。しかしJEBが復活した以上、色々と大変だと思うのでJEB運営関係者方、頑張ってください。

 

おそらく知らない方が多いと思うので、先に自己紹介を済ませます。Tigresというコテ名でペンスピナーしてます。最初は主にUPSBで活動していましたが、色々あってJEBでも密かにペンスピ活動をするようになりました。5年以上ペンを回してまして、今はUPSBの管理人を務めさせていただいています。ただのスパムbot処理係みたいなものですが。

 

今回、PS Memorandumに参加していただいたわけですが、せっかくの機会ですので海外の方ではどうなってるのか色々とお話したいと思います。もちろん海外といっても、UPSBの方ですが。タイトルは別段特別な意味は持ち合わせておりませんので、あまり気にせずに。また、偏見的なこと書いてあると思いますが、それも気にせずに。

 

JEBが一度サーバーの問題でアクセス不可能な状態になっていたのですが、実はUPSBも数年前に同じような事件が起きていたもので。ただし、サーバー問題ではなく、ある匿名ハッカーがUPSBの管理システムをメチャクチャにされたという理由でシャットダウンされました。UPSBユーザーの個人情報が漏れてしまった可能性を考えて、その対処をせざるを得なかったのでしょう。それで新しく立ち上げられたのがUPSBv5、すなわち今使われるUPSBのサイトですね。新しい掲示板に移ったのは良かったのですが、まだ他にも深刻の問題がありました。一つ目の問題は、あまりにも少ないアクセス数。そして、二つ目は極力少ないメンバーの数。前のように面白い記事の更新の様子はあまり見えません。あっても主に、改造ペンを見せびらかすスレと雑談スレばかりしか更新されてませんね。ペン回しについて語るスレはほぼない状態です。UPSB内で作られたCVは数えるほどしか制作されてません。前いたUPSBのユーザーたちは、JEBのようにTwitterを使わないのに一体どこに行ってしまったのか。以前のUPSBにはなかったこの殺風景な光景に、私は嫌な不安を抱いていました。

 

確かめたかったこともあり、他国のフォーラムに所属している知り合いと話してみると、その不安が一層に膨れ上がりました。辺りを聞いてみれば他多数の掲示板も似たような話をしていました。香港、フランス、スペイン、ドイツ、シンガポール。各掲示板所属の知り合いから、ペン回し掲示板それぞれUPSBと同じ現状と語っておりました。むしろ、UPSBの方がまだ生きているほうだと。あまり信じがたいことですが、JEB外のペン回し界はよく西洋風映画に出る荒れた高原にある人気のなさそうな小さな村みたいなものへと化しています。あくまで、かつて私が知っていた以前のペン回し界と比べてですが。最初にそれを聞いた時には、唖然としていましたが、後ほどにこのような資料を見せていただきました。

 

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https://www.google.com/trends/

Googleにはこういうものがあったとすっかり忘れていました。簡単に説明しますと、過去のGoogle検索を総合的にデータ化し、入力するキーワードがいつ、どのへんで検索の量が多かったかを調べるツールです。一番検索数が多かった時期を100にし、それを元に他の検索数を決めています。

それで今回は「penspinning」と「pen spinning」と「ペン回し」を比べてみました。これという差はありませんが、一応とのことで。ちなみにYoutube検索のグラフもありますから、そちらも調べると面白いのかもしれません。

 

話を戻して。このグラフを見ると大体ペン回し界でどのようなことがあったかは想像できますね。資料によると、ペン回しが一番検索されていた時期は2007年の頭から。ペン回しがテレビで放送されていたり、ペン回し界初の世界大会が主催されている頃だと思われます。古い掲示板や当時にうpされていた動画とかを見てみると明らかに観客的な反応が多かったと見られます。しかし、年を重ねるほど検索数が一方的に下がっていきます。世界大会やあらゆるイベントが主催されているにも関わらず、ずっと下へ隔っています。ここで、UPSBを含めてのペン回し界において気付くものは二つ。一つ目は明らかに減っていく観客。二つ目は徐々に減っていく掲示板のアクセス数、すなわちスピナー人口も減っていくことです。最近のCVにコメントや再生数があまり優れないという現象の説明もできています。

私が知る限り、今残り少ないこのスピナー人口にはほとんど小学生や中学生しかいません。インターネットの普及のせいか、最近は子供のスピナーしか見ることはありません。スゴイキッズ満載な保育園のような。12,13歳といえば、人間としては一番物心がつく年ですぐに影響されやすい年齢ですが、ここで問題が幾つか生じます。まずは子供特有の飽きっぽい性格。ペン回しの練習でつまづいたら、すぐに辞めてしまうものが多い模様です。せっかく親に買ってもらったペンを無駄にし、そのままやめてしまうのがよく見るケースです。また、子供たちの「相手にされたい、認められたい」という願望が強いせいなのか、あまり自分のために回しているものは見ません、自分で楽しんでいないとも見える。認められたいがために、無理やり技を習得し、早くプロのスピナーになりたがる。その中に、たまには天才のスピナーが生まれることもありますが、それもごく稀なケース。その他は皆、数少ない歴の長いスピナーたちに相手にされないか蔑まれるだけです。子供たちはそれで自信を失くし、そのまま凶暴な性格になりかわり、面白半分で喧嘩腰になり、より若い獲物を狙い、喧嘩を売る。こういう光景ばかり見えます。

そもそもペン回しとは非常に特殊な趣味、歴を重ねることでしか分からないものばかりだと思います。本当の魅力を気付くには長い年月を重ねないと見えないものです。数々の技を一つずつ練習するのも楽しいのですが、本当に楽しいのは習得した技を使い、一つのFSを作るところから始まるものではないのでしょうか。自分の手で新しいものができると思う、楽しいんじゃありませんか。それを動画で撮影し、公共に見せ付ける、カッコイイじゃん。この楽しみを味わえないまま、子供たちは辞めていくのです。

これで少し脱線しますが、私も中学生の頃から5年間回していたわけですが、このような困難に会うことはありませんでした。原点は同じはずなのに、どうしてこんな違うものなのか。そんなことを知り合いに相談していると、多少それっぽい答えを言ってくれました。ペン回しを始めた最初の頃から見るもの違ったのではないかと。そう思うと気になる点は幾つかありました。それは、自分や当時身の回りにいたスピナーたちは、

・大量のCV、拾いやソロを見ていたこと

・技の講座、いわゆるTutorialを見る機会がなかったこと

・ひたすら撮影に励んでいたこと

以上の事柄を最近のスピナーと比べると大筋がだいぶ見えるようになりました。信じられないことに子供たちにはCVという概念すら知らなかったものが多かったという。だから、知っているスピナーは数えるほどしかいないと言っておりました。そのしっているスピナーの大半は技講座を製作しているか、世界大会に出場したことある人たちばかりでした。この二つの類を持つ代表スピナーと言えばVicgotgameさんでしょう。歴の短い方々はCVではなく、Tutorialか世界大会の個人動画ぐらいしか見たことがないという。そんな限られた視界の中で、ペン回しをしているのかと思うと、少し気が滅入りました。初めて見たペン回しの動画は講座集か世界大会の動画集のものが多く、それ以上に追求することなくそこにとどまっております。ペン回しはそれがすべてと思い込んでしまっているのです。長年ペン回しをしている大会出場者に憧れながら、ひたすらその大会で使われる技しか練習しないのです。ハイツアやコンパムができて、基礎技ができないものが多くなったのもそのせいなのかもしれません。それはそれで良いのかもしれませんが、なんせ出場者の動画しか見ていないものだら、無意識にその人と同じような回しをするようになります。憧れていたスピナーの真似はできたものの、それ以上ができないとやりがいを感じなくなる。だから今度は別の世界大会出場者のスピナーの動画を見て練習する、それでその人がやる技を習得しそのまま終わる。この繰り返しを何回も続けて、やがてやる気を失くし、そのまま辞めてしまうスピナーが非常に多い。まだ歴も短いのに、世界大会の動画集だけを見てそのまま終わってしまうのです。こんな限られた世界観の中で、ペン回しは楽しめらたものだろうか。

なぜこんなことになってしまったのだろうか。それで自分で思う幾つかの原因をこれから述べようとおもいます。あくまで、個人意見ですが。

大量の情報の整理不足

新しい掲示板に移ってから、アーカイプのデータを移行できないため、現在のUPSBはペン回しに関する情報が不足している状態にあります。肝心の情報がない以上、初心者には頼れる情報源というものがありません。基礎技の名前すら、Youtubeにある有名な動画で全く違う名前へ成りかわり、間違いを指摘できないようになりました。たとえば、基礎中の基礎「ノーマル」は一般的にはThumbaroundといいますが、いまではDebateやTamaroundなどという名前でも知られています。これを防ぐためには、「ペン回し資料室」のようなサイトが必要となります。情報の間違いを防ぐことによって、より正確な情報を公共の場に残せます。古い記事やCVをまとめたりとかすれば、歴史的なスピナー、および新たな世界観を持ち得るようにはなれると思います。

CVや拾いの少なさ

CV、つまりCollaboration Videoというのは、自分のプロモーションにもなるし、交流の場にもなる。編集者の意見や観客の意見を参考にしながら自分の回しというものを磨きあげる。ペン回しを楽しむには必然的な行いです。しかし、さっき言った通り、UPSBや海外で製作されたCVの数は本当に年に数えるぐらいしか見かけません。自分の回しを撮影できる機会が一層に少なくなりました。現在どのようなスピナーがいるのかを発見することもできないし、なにより自分の回しを見せる場も無くなります。新しいCVがほとんど製作されていないままでは、世界にはどんなスピナーがいるかが分かるかけがありません。自らCVに興味を持ちCV製作に試みるスピナーとそれに参加するスピナーを増やすためには、またはCVの価値観や必要性を上げるためには、過去のCVを名作が無名までアクセスできるような場を作らなければなりません。

世界大会(WT,WC等)

競技的なFSには向かない私が言ってなんですが、世界大会は皮肉にもスピナーのモチベーションを下げ、スピナー人口を減らしている最後の決め手と私は思っています。毎年UPSBで世界大会のスレを見るんですが、年を重ねる度に世界大会に対する反応が薄くなっていくことに気付きました。さらに言いますと、ほとんどの内容は出場者の動画ではなく、審査基準に対する苦情や主催側への文句の内容が濃くなっていくのを見ます。それで、審査に納得できないもの、出場者本人たちもその言い争いに参加します。特にWT15の批判は深刻なものでした。せっかく世界大会という壁を乗り越えたのに、あまりにもふざけているこの論争やお互いを蔑む光景を見て自分の空間へと消えていくスピナーがどれほどいたことか。そんなスピナーたちはペン回しをやめて別の趣味へと移ったわけでもない。単に興味を持てなくなっていたのです。もうこんなコミュニティーに関わりたくないと、時間の無駄だと、やりがいを感じないと。そういうスピナーが増えてきて、やがて掲示板に、それぞれのペン回し界に、前は生き生きとしていた活気が減っていきました。そして歴の長い方は自分のサークルみたいなものを作り、外からのペン回し界から姿を消した。ペン回しに興味を持った新しい初心者メンバーたちは、空っぽの掲示板へメンバー登録をし、誰にも相手にされないまま一年すぐに辞めてしまう始末です(いつものことではありませんが、UPSBへ登録するメンバーの大半はそういう結末にまで至っております)。

 

以上、私が捉える海外の現状ですが。実は今後のペン回しというのはどういうものになるのか予想できません。ただこのままいけば、いずれスピナーはペン回しを趣味として楽しむようにはできなくなるかもしれないと私は思っています。そんなことが起きたらもう仕方がないことですが。ただ、大袈裟にも、この特殊な趣味が自分に与えてくれた感動が最近興味をもった新しい人たちには伝わりにくくなっているというのは、少し寂しいものです。

 

最後に結論とういうのもなんですが、この記事のご覧をお願いします。

http://z15.invisionfree.com/UCPSB/index.php?showtopic=4641&hl=

これは旧UPSB,またはUCPSBに投稿されたスレです。とあるイギリス人の大学生が史上初の世界大会を主催したいとの件について。その人は、当時ペン回し界に影響力をもったBonkuraさん、ubobubさん、FratleymさんやZomboさんの知人らしく、皆に相談をして世界大会という大規模なイベントを実現させようと試みておりました。なにもなかったところから、その場のものが納得した審査やルールを決め、世界初の大会は無事成功した。そのイベントの構成作業の様子を写したこのスレを見るには、メンバーたちが凄く楽しそうに見える。楽しくやっていて、ちゃんとコミュニケーションを成し遂げている。結果、今私たちが知る世界大会というものが成り立ったのです。

 

なにが言いたいかというと、世界規模に影響するイベントは世界中の人たちの協力が必然的だということ。これからの世界的イベントには、JEBやUPSB含め全フォーラム内で協力しなければいけない機会はただあると思います。いかに上手くコミュニケーションとれるかによってイベントのクオリティーが激変します。先人たちがいない今、今後のペン回し界に影響を及ぼすのは現役のスピナー達です。どうか、それを忘れないでください。

 

 

 

さて、多少ドラマチックでしたが、読んでいただいてありがとうございました。真面目な内容でしたが、気軽にただの個人意見として読んでいただければ幸いです。また、わからないことや、文法的に間違っているものがあれば教えていただくと嬉しいです。最後にPragueさん、THECCAWさん、このイベントを主催していただきありがとうございました。

 

では